ここはムーンペタの町。
いつもの冒険者4人は夜中にこっそりと地下牢に忍び込もうとしていた。

乾「その情報、本当なんだろうな」
コウジ「本当かどうかはわからないけど、試してみる価値はあるだろ」
コウジが酒場で聞いた情報では、この町の地下牢に“お宝”があるというらしい。

乾「ここって、イシンが最初にいた場所だよな。なにか知ってるか?」
イシン「あの地下牢は使われていないはずでしたが」
コウジ「だけど、そのわりには厳重に見張られてるみたいだぜ」
イシン「言われてみると、確かにおかしいですね」
コウジ「まぁ、何かがあるのは間違いなってことよ」
乾「そうだな。とりあえず行ってみるか」

普通に考えれば、わざわざ地下牢へ忍び込もうとする者などいるはずがない。
そのためか、さすがに夜になると見張りの緊張感も薄れているようだ。
コウジ「今だ。行くぞ」
見張りが入り口を離れた隙に一行は牢屋の入り口へと忍び寄る。
乾「鍵はどうするんだ?」
コウジ「これが使えそうだぜ」
ペルポイの町で手に入れた“牢屋の鍵”で扉はすんなり開いた。
コウジ「皆、中へ入れ」
一行は牢屋へと入り、扉を閉め、中から鍵をかける。
コウジ「よし、これで一安心だ」
一行はたいまつを付け、地下牢の中へと入っていく。

203 :名無しのオプ :04/06/04 00:09 ID:mlNsVnuU
捕食者・・・まさか・・・

地下牢の中へと踏み込み、まずは恒例のあれを・・・

イシン「とりあえず、あれを試してみましょう」
乾「“山彦の笛”か」
さっそく、乾は“山彦の笛”を吹いてみる。

「コウジ シンカン、コウジ シンカン、コウジ シンカン、コウジ シンカン」

すると山彦が返ってきた。

「ナニソレー、ナニソレー、ナニソレー、ナニソレー」

乾「(そういえば石崎の新刊って、もうしばらく出てないような)」
コウジ「よし、“紋章”を探そうぜ!」
乾「少しは気にしろよ!」

地下牢は意外に広く、ひとつひとつの牢屋を調べていくのは困難であった。
そしてやっとのことで地下牢の一番奥へと達したとき、
コウジ「あれじゃないのか?」
その奥の牢の中には大きな宝箱が一つ、無造作に置かれていた。
それはただの宝箱ではなく、何か禍々しい雰囲気が感じ取れるものであった。
イシン「何か嫌な予感がしますね」
コウジ「でも開けてみなきゃ、はじまらねぇだろ。ほれ、イヌイ開けろ」
乾「俺が開けるのかよ!」

乾はしぶしぶ、“牢屋の鍵”で鍵を開け、牢屋の中へ入り宝箱に近づく。
そして宝箱を開けると・・・・・・宝箱の中から何かが飛び出してきた!
乾「うわっ、なんだ?」

206 :名無しのオプ :04/06/05 00:41 ID:NpffX/qr
ミミックキターー!・・・かな?

イシン「何です? 何が起きたんです」
カジュー「今、宝箱の中から何かが出てきた」
コウジ「何も見えねぇぞ」
カジュー「見えないだけだ。確かにいる!」
イシン「うわっ!」
イシンが何かに突き飛ばされたように、倒れる。
乾「大丈夫か」
イシン「大丈夫。かすっただけです」
カジュー「透明のモンスターか?」
コウジ「それって幽霊じゃないのか」
イシン「触れたときに感触を感じましたので霊体ではないと思います」
乾「(透明? 浦賀の旦那か)透明のマンイーター」
コウジ「えっ?」
乾「敵は目に見えない肉食獣だと思え。気をつけろ!」

インヴィジブル・マンイーターがあらわれた

見えない敵を近づけないようにと一同はめくらめっぽう、武器を振り回す。
イシンの戯言とカジューの勘の力もあり、まだ大きな被害は出ていない。

イシン「これを封印するために警備が設けられていたんですね」
コウジ「それを俺たちが開けちまったってわけか」
乾「どっちにしろ、“紋章”を集めなきゃならないんだからしょうがないだろ」

ふと気づくと心なしか敵の手が休まったようだ。
コウジ「逃げた?」
カジュー「いや、こちらの様子をうかがっているようだ」
イシン「消耗戦に持ち込むつもりでしょうか」
こちらから攻撃を仕掛けようにも、目に見えないうえに高速で移動する敵になすすべもない。
イシン「弱りましたね」

乾「(・・・敵がしゃべらないと、シリアスな展開になるな)」
乾は一人余計なことを考えていた。

乾「ここはまた何らかの作戦を考えるべきだな」
イシン「そうですね。まともに戦っても勝ち目はなさそうです」
コウジ「ええと、使えそうなアイテムは・・・・・・これだ!“ペンキ缶”」
イシン「ペンキを敵にかけることができれば、位置がつかめますね」
乾「でも、どうやってペンキをかけるかが問題だな」
コウジ「タイガーと戦ったときにはアイテムを見当違いの方向に投げた奴がいたしな」
イシン「まぁまぁ、それはもう過ぎた事じゃないですか」
コウジ「となれば、もうひとつの余ったアイテムの“これ”と組み合わせるか」
イシン「敵をおびき寄せて、っていうことですね。でもこれでおびき寄せることができますかね」
乾「いや、間違いなくおびき寄せることができると思うぞ」
コウジ「よし、じゃぁ作戦をまとめようぜ」
乾「あっ、カジュー。作戦がまとまるまでもうしばらくがんばっててくれ」

3人はフロアの隅っこにかたまり、作戦会議中。
その前面にカジューを立たせておいて、カジューひとりで、なんとか敵の攻撃を受け流している。
カジュー「アッラー、アッラー、アッラー」

乾「よし、作戦決行だ!」
イシン「これを見ろ!」
イシンが掲げたのはアイテムの一つ“まんが肉”。
真中に大きな骨があり、その周りにジューシーな大きな肉が付いている。
(いったい何日前の肉だ! という突っ込みはなしにしてくれ)

敵の姿は見えないものの、敵の殺気が肉の方に集中したような気がした。
イシンが肉を放る。「それっ」
大きな、気の塊が肉のほうへと殺到する。
乾「いまだ!」
コウジ「くらえっ!」
コウジの水鉄砲から、水性のペンキが発射される。
ペンキは性格に敵の体にまとわりつき、敵の外殻を浮き彫りにし始める。
「ウガァーーーーッ」
敵が怒りの叫び声をあげる。
果たしてそれは、ペンキをかけられた事に対してなのか、
それとも食事の邪魔をされたことなのか。
乾「攻撃開始だ!!」

211 名前: 名無しのオプ 投稿日: 04/06/07 01:42
やっぱり肉が好きなのか(w

乾がハリセンで攻撃をしつつ、敵の攻撃を“ツッコミ”で無効化する。
勇者のパジャマの効果か、乾はほとんど傷を負っていない。
カジューが乾を援護しつつ、後方からのヒット&ウェイで着実にダメージを与えていく。
イシンは戯言による補助魔法で援護をする。
敵のスピードを奪いつつ、味方の攻撃力、防御力をUPさせる。
コウジは敵をかく乱しながら、水鉄砲の掃除に余念がない。
いくら、水性とはいえ、ペンキが固まってしまったら水鉄砲が使えなくなってしまう。

乾「コウジ、お前じゃま!」
コウジ「武器の手入れを怠ると戦いのとき酷い目にあうぞ」
乾「今が、その戦いのときだろ!!」

と、お約束を入れながらも、徐々にマンイーターにダメージを与えていく一行。
そして、長い戦いの末、ようやく・・・・・・
乾「やったか」
イシン「えぇ、やりましたね」
コウジ「ようやく水鉄砲がきれいになった」
乾「うるせぇよ!」

インヴィジブル・マンイーターを倒した

コウジ「た、倒したー」
乾「ずいぶんてこずったな」
イシン「かなりHPがあったみたいですね」
全員すでに動く気力もなく、床に這いつくばってしまう。
そんな仲間を差し置いて、
コウジ「さて、お宝を物色するか」
イシン「コウジさん元気ですね」
乾「ろくに戦ってないからだろ」

マンイーターが出てきた宝箱から“水の紋章”が見つかる。
乾「これで、4つ目の紋章ゲットか」
そして他にも・・・
コウジ「なんだ、このナベブタは? 何でこんなところに」
乾「(うっ、嫌な予感)」
イシン「あっ、それは伝説の!」
乾「やっぱり・・・・・・」
イシン「勇者殿! 勇者殿の最高の盾、“勇者のナベブタ”が見つかりましたよ」
乾「だっさー」
イシン「これは炎や冷気なども退ける優れものですよ」
乾の顔色とは関係なく、ノリノリで説明をするイシン。
乾「(これも当然、俺には選択肢がないんだろうな)」

かくして冒険者一行は4つの紋章と3つの伝説の防具を手に入れることができた。
“はげヅラ”、“パジャマ”、“なべぶた”、“ハリセン”を装備した勇者とともに、
彼らはいよいよ、“ロンダルキアへの洞窟”へと向かう。

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