半泣きの勇者を引きずりつつ、城の奥へと入っていく一行。
コウジ「ほら、もういい加減にしろよ」
乾「・・・グスッ、グスッ、ウェーーーエン」
イシン「よっぽどいい夢を見てたんですね」 コウジ「まったくもう、こんなときに何をやってんだか」

するとその時、一行の前に立ちはだかるものが!
ユヤタン「よく来たな!」

コウジ「また、現れたのか。しょうこりもなく」
ユヤタン「ふん、今度こそ決着をつけてやる」
乾「・・・くそ、この悲しみの全てをお前にぶつけてやる」
イシン「やった、勇者殿が復活した!」

一行は臨戦態勢に入る。

コウジ「ちょっと待った」
ユヤタン「待ったはなしだぞ」
コウジ「あのさ、竜水にたどり着くまでに、あと何人ボスキャラがいるの」
ユヤタン「・・・・・・」
コウジ「・・・・・・」
ユヤタン「・・・・・・・・・・・・」
コウジ「・・・・・・・・・・・・」
ユヤタン「3人だ」
コウジ「嘘だろ」
ユヤタン「・・・・・・」

コウジ「案外、本当にボスのネタ切れなんじゃないか?」
ユヤタン「そ、そんなことはない。現に僕がちゃんといるじゃないか」
コウジ「他のボスの名前は?」
ユヤタン「・・・・・・・」
コウジ「・・・・・・」
ユヤタン「さぁ、闘いを始めるぞ」

イシン「ほんとに、この後、誰もいないんですかね」
乾「ここに来るまで、一匹の敵も出てこなかったしな」

ユヤタン「あぁーーー、もう戯言はなしだ! 勝負だ!!」

「ちょっと待った!」
ユヤタン「いい加減にしろーーーって、誰だ?」

そう、またまた噂の男がやってきた。

男が身にまとっているものはビキニパンツ一丁だけ。
その水着はきわどく、金の鎖でヒモパン状態の、大変ホモホモしい・・・・・・
「サマルトリアのキリシャ王子、推参」

乾「キリシャ。キターーーーー」
イシン「生きてたんですね」
コウジ「ほら、俺の作戦に間違いはなかっただろ」

溶岩でドロドロに溶かされたうえに、大爆発にまで巻き込まれた王子。
しかし、そのような痕跡は微塵も感じさせない王子であった。
コウジ「嫌んなるくらい健康だな」

キリシャ「勇者イヌイよ、ここは私にまかせてもらおう」
乾「は、はぁ・・・」
キリシャ「覚悟しろ、竜水!」
といって、王子はユヤタンを指差す。
ユヤタン「・・・ハァ?」

一同は王子が大間違いをしていることに気がつく。
キリシャ「竜水、貴様はここで終わりだ」
ユヤタン「あのー、もしもーし」
キリシャ「貴様が行った、数々の悪行、許すことはできん」
ユヤタン「あのー、だから僕は竜水様じゃないんですけど」
キリシャ「天に代わって成敗してくれる」

乾「あーあ、完全に勘違いしちゃってるよ」
イシン「しかも、人の話を全然きいてないし」
コウジ「この場で何をいっても無駄だな」

キリシャ「竜水よ、しかと見よ、サマルトリア王子の究極の真必殺技を」
ユヤタン「・・・・・・」
キリシャ「旅をしながら試行錯誤を重ねた結果、ついに完成した究極の呪文」
ユヤタン「・・・・・・」
キリシャ「必殺呪文『メガンテ』を数十倍うわまる技、くらえ!」
ユヤタン「えっ、あ、あの、ちょっと待って!」

乾「なんか、まずそうだぞ。逃げろ!」
一行が背を向けて逃走しようとしたその瞬間、王子の声が鳴り響く。


 『 ギ ガ ン テ 』


想像を絶する大爆発が起きた。

287 名前: 名無しのオプ 投稿日: 04/06/29 14:01
キターw

イシン「あぁ、危なかった」
瓦礫の下からはいでる冒険者一行。
コウジ「うわっ、城が半壊してるじゃねぇか」

なんと、城の壁の一部が破壊され、外を見渡すことができるようになっている。
乾「ほんとだ・・・・・・って、よく俺達無事だったな」
イシン「これのおかげです」

イシンが差し出したのは“ラーの鏡”。
鏡の力で爆発の威力を反射させて拡散させたらしい。
そのとき、“ラーの鏡”にひびが入り・・・・・・
イシン「あっ、“ラーの鏡”が粉々に!」

乾「しかし、あの“ラーの鏡”さえも粉々にしてしまうとは・・・」
イシン「『ギガンテ』恐るべしですね」
コウジ「そういえば、ユヤタンと王子の体のパーツが全く残ってないな」
イシン「まさに、跡形も無く吹っ飛んだ、というところですかね」
コウジ「でも、せめてよぉ、ユヤタンじゃなくて竜水にダメージを与えて欲しかったよな」
乾「肝心なところで役に立たないのが、奴のキャラクターなんだろうな」

一行はこの場は放置することにして先へと進むことに。

壁が崩れ落ちた所から城の外を見通すことができる。
城の中の暗さ、陰鬱さとは相対し、下界は眩いばかりの青空が広がっている。
その暗い城の中に一筋の光が差し込まれる。
宙に舞うほこりに光が反射し、そこだけがまばゆいばかりに輝いている。
そのとき、差し込まれた光を目指すかのように、何かが上から落ちてくる。
それは、まるで羽根のようにひらひらとゆっくり落ちてくる。
そしてそれは、蝶が体を休めるように、光の中心に舞い降りてきた。
落ちてきたのはアゲハチョウのような黒さを持つ布切れ。
その布切れは、きわどく、金の鎖でヒモパン状態の、大変ホモホモしい・・・・・・
絵に描いたような眩いばかりの美しい光景。
それが彼の辿ってきた軌跡の結末を示していた。
サマルトリアの王子、ここに眠る。

<メフィスト・クエスト 完>


乾「勝手に終わらすなよ」
コウジ「ぜってぇ、死んでねぇだろ」

物語はまだ続く(あとちょっと)



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