イシン「王子は死んでしまったんですかね」
乾、コウジ「絶対、生きてる!」

ユヤタンのいた部屋を出て、一行は先へと進む。
そこからは一直線の長い廊下を進むのみ。
・・・・・・

イシン「・・・・・・この廊下やたら長くありません?」
乾「この城って、こんなに広かったっけ?」
コウジ「また、幻影をみせられてるんじゃないだろうな」
カジュー「・・・下りになっている」
乾「えっ!」
イシン「よく見れば、微妙に廊下が斜めになってますね」
乾「ということは、俺達地下へ入っていってるのか」
コウジ「そういえば、いつのまにか廊下に窓がなくなってるな」

一行は地中へと導かれる。

乾「あれ? どこやったかな」
コウジ「どうした?」
乾「“勇者の証”がない。どっか落としたかな」
コウジ「どっか落としたかな・・・って、そんなんで済むもんなのか」
乾「イシン、どうしよう」
イシン「たぶん、さっきの大爆発のときに落としてしまったんですね。
  でも、“竜水”を倒すのに必要なアイテムというわけではないと思いますよ」
コウジ「じゃあ、帰りがけにでも拾っていけばいいだろ」
乾「そういうことにしておくか」

かなりアバウトな冒険者一行であった。

地中へとのびる、長い長い廊下を一行は突き進む。
イシン「本当に敵が出てきませんね」
コウジ「人材不足って奴か」
乾「ということは、いよいよ“竜水”のおでましか」

そうしてようやく一行は廊下の突き当たりにたどり着く。
そこには大きな扉があり、中から禍々しい妖気を感じ取ることができる。

イシン「間違いなくここですね」
乾「よし、準備はいいか」
コウジ「っていうか、城に入ってから俺達何もしてないぞ」

コウジの発言を軽く流し、乾は扉を開ける!

一行が入ったところは、やたらと大きな部屋であった。
いや、部屋というよりは天然の洞窟といったほうがよいようである。
何も無いその部屋の奥に玉座だけが、ただ置かれていた。
そしてその玉座に座っているのが、“竜水”その人であった。

妖精「あぁー、勇者ちゃんたちが来ちゃったよー」
竜水「・・・・・・」

乾「お前が竜水か」
コウジ「竜水っていうから、どんな化け物かと思ったら、ただの人じゃねぇか」
イシン「格好だけは尋常じゃないようですけどね」
乾「・・・俺達が格好のことをどうこういってもな・・・」
イシン「・・・すいません、失言でした」

竜水「よく来たな、勇者一行よ」

妖精「うわぁーー。竜水ちゃんが50年ぶりにしゃべったー」
竜水「訳しながらだと、まだるっこしいんで、ここは普通に話すことにする」

コウジ「何をぶつぶついってんだ」
乾「いや、まぁ、いいんだよ。わかる人にはわかる。
 (普通にしゃべる清涼院っていうのも新鮮だな)」

竜水「よくぞここまでたどり着けたものよな」
イシン「えぇ、色々と大変でしたが、その分城の中では楽させてもらいましたよ」
乾「(俺だけ、ものすごい精神的ダメージをくらったがな)」
竜水「とはいえ、貴様らもここまでだ。お前らには、この私自ら引導を渡すこととしよう」

竜水は玉座から立ち上がり、おもむろに冒険者達のほうへと歩いてくる。
妖精「竜水ちゃん、行っけー!」

乾「みんな準備は万全か」
イシン「大丈夫です」
コウジ「まかせろ」
カジュー「うむ」
乾「よし、最後の決戦だ!」

冒険者たちに向かって竜水はゆっくりと歩いてくる。
その竜水の格好はというと、大きさは普通の人間とかわらない。
腰近くまで伸びる髪の毛に眼鏡、細身の体型。
服装は赤い布地に白い水玉模様の上下。
その竜水がゆっくりと、向かってくる。

突然、竜水がスピードを速め、冒険者一行へ襲い掛かってきた。
そのスピードは獣のように速く、ギリギリでかわすのが精一杯。

乾「俺が盾になる」
竜水の素手による攻撃も、勇者の装備であれば致命傷は負わずにすむ。
一行は勇者を盾にしつつ、反撃の機会をうかがう。

イシン「スピードが速すぎて、攻撃する隙がありません」
コウジ「なんか、赤地に白の物体が動き回ってて、目がチカチカしてきた」

するとそのとき、乾を攻撃しながら、チャンスをうかがっていた竜水が、後方にいるコウジを捕らえるべく、大きくジャンプした!

乾「コウジ、気をつけろ!」
コウジ「うわっ、こっち来んな!」
竜水はパーティーで一番弱そうな者から片付けようと、コウジに襲い掛かってきた。
竜水「まずは一匹」
コウジ「うわぁぁぁーー」

竜水の痛恨の一撃がコウジに入ろうとした瞬間、コウジは足がもつれて、転んでしまう。
竜水の一撃がギリギリのところで、かわされた。
竜水「こしゃくな」
と、竜水が振り向こうとしたら、コウジが持っていたムチと竜水の髪の毛がからまってしまった。
竜水「セリョーーーーーーーーー」

もがきながら、必死に髪の毛をほどこうとする竜水。
しかし、偶然にも髪の毛が複雑にからまってしまい、なかなかほどくことができない。
乾「今がチャーーーンス」
竜水「リューーーーーーーーーー」

必死に髪の毛をほどこうとする竜水に全員でここぞとばかりに蹴りをいれる。
乾「このやろ、このやろ」
コウジ「てめぇ、危ないだろうが。くらえ」
カジュー「アッラー、アッラー」
イシン「これでもか、これでもか」

竜水「セリョッ、セリョッ、セリョッ」
ずたぼろになりながらも、なんとか髪をほどき、冒険者の足元から這い出る竜水。
そして、すばやい動きで冒険者から距離を置く。
乾「くそ、にげられたか」
コウジ「しぶとい奴め」

竜水「リューーーースイ」
妖精「あぁー、竜水ちゃんを怒らせた」
竜水「セリョーーーイン、リューーーーースイ」
妖精「えっ、もう第2形態に変化するの」
竜水「リューーーーーーーーーーーーーーースイーーーーーーーーーー」

掛け声と共に、竜水が光り、体が変化し始めた。
乾「なんかよくわからないが、皆気をつけろ!」

298 名前: 名無しのオプ 投稿日: 04/07/02 23:26
>必死に髪の毛をほどこうとする竜水に全員でここぞとばかりに蹴りをいれる。
よりによって蹴るだけかよw
お前らもっと何かカッコイイ技無いのかよw



>> next

[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析