城の扉の前までたどり着き、城を見上げる一行。
イシン「やけに簡単に近づけましたね」
コウジ「っていうか、敵もほとんどいないし」
乾「本当にここが“竜水の城”なんだろうな」
コウジ「敵をあらかた倒したから、もう適役の奴がいないとか」
イシン「ハハハ、そんなわけないじゃないですか」
乾「ハハハハハ(案外確信をついてたりして)」

乾「こんなとこで油売っててもしかたない。真の目的は“竜水”を倒すことだ」
イシン「では、入りましょうか」

一行は城の扉を開け、竜水の城の中へと入ってゆく。
すると、そのとき!
不思議な感覚におそわれて・・・・・・・・・・・・



「乾さん、乾さん・・・」
気がつくと乾は人が大勢いる部屋に立っていた。

「どうしたんですか、乾さん」
心配そうにこちらを見ているのは、乾の担当の編集者であった。
乾「あれ、ここは・・・どこだっけ」
編集者「いやだなぁ、乾さん。寝ぼけてるんですか」
乾「いや、まぁ、ハハハハハ・・・」
編集者「今日は乾さんが主役なんだからしっかりしてくださいよ」
乾「(主役?)」
ふと、見上げると横断幕がはってあり、日本推理作家協会賞授賞式と書かれている。
その横には第58回日本推理作家協会賞受賞作「イニシエーション・ラブ」と・・・・・・
乾「あ、あれは僕の・・・・・・」
編集者「いやだな乾さん、ほんとに寝ぼけてたんですか」
乾「・・・・・・」
編集者「まぁ、去年のブレイクぶりからすれば意外ではないですよね。
   このミス1位といい、他のランキングでも軒並み上位にランクインされてましたからね」
乾「(夢なのか、これは夢なのか)」

「乾君」 後ろから、突然、呼びかけられる。

乾「う、歌野先生」
歌野「今年はどうやら君の年らしいな」
乾「い、いえ、とんでもないです」
歌野「いやいや、君もこれで人気作家の仲間入りだ。
  去年は僕の『葉桜』が話題を集めたが、今年の話題は『イニシエーション・ラブ』につきるね」
乾「い、いや、その、恐縮です」
歌野「これからもお互いにがんばろう」

他の有名な作家たちからも次々と声をかけられる乾。
島田「乾君。おめでとう」
笠井「よくやったな乾君」
綾辻「次回作では直木賞も夢ではないな」
石崎「何、ニヤニヤしてんだこのやろう」
法月「またここに新たなる才能が花開いたようですね」
二階堂「まだまだ、これからだぞ。でも今日は素直に祝福しよう」

次々とかけられる祝福の言葉。
あぁ、これでとうとう自分も人気作家の仲間入りと、舞い上がる乾。

乾「・・・・・・・あれ、いま1人変なのが混じってなかったか」
いや、気にする必要はあるまい。
今はこの幸福感にひたっていたい。

すると、そのとき!



コウジ「何、ニヤニヤしてんだこのやろう」
乾は顔をペチペチとたたかれていた。
イシン「勇者殿、大丈夫ですか?」
乾がふと我にかえると、そうだ、ここは竜水の城の中のはず。
イシン「城に入ったとたん幻術にかけられたようなので、“ルビスの守り”をかかげました」
コウジ「そしたら、幻術が破ることができたっていうわけ」
イシン「しかし、勇者殿だけがなかなか目覚めなくて心配しましたよ」
コウジ「よっぽどいい夢を・・・・・・って、おまえ泣いてるのか!」

乾「夢でも覚めないで欲しかった!!」
勇者イヌイは現実世界では決して味わえないような体験にひたり続けていたかった。
そう、せめて、せめてもう一度だけでも、あの続きが。

乾「・・・最初から、やり直しだ。もう1回、城に入るところから・・・」
イシン「勇者殿、落ち着いてください」
乾「アァァァァァァーーーーーーーーーッ」
必死に勇者を止める一行であった。

282 名前: 名無しのオプ 投稿日: 04/06/26 22:11
い、乾…
イニシエーション・ラブ面白かったぞー!
だから負けるなー!



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